アヘッド・バイオコンピューティング株式会社

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2024-09-23
お知らせ
GPU並列計算の効率的実行に関する学術研究論文を発表しました

当社の研究員が執筆した学術研究論文が、国際会議International Conference on Parallel Processing (ICPP'24) に採択され、スウェーデン・ビスビューで開催された同学会において2024年8月15日に口頭発表されました。

当論文は、筑波大学計算科学研究センター、東京工業大学、およびNVIDIAとの共著論文で、224プロセスが並列動作する大規模な環状ペプチドの膜透過分子動力学シミュレーションを、最新のGPUであるNVIDIA H100等の上で最も効率良く計算するための手法を提案し、MPS (Multi-Process Service) におけるパラメータを網羅的に変化させるなどの実験を通じてその効果を実証したものです。MPSは、1基のGPU上で複数のプロセスを同時に動作させる仕組みですが、このとき各プロセスが利用可能なGPU上の最大資源量の設定に関してoversubscription、すなわち適度に資源を奪い合うような設定にすると、空き時間が生じにくく効率が向上することを明らかにしました。またNsight systems上のモニター機能を使って適切な設定を確認できることも示しました。この手法は、分子動力学シミュレーションのみならず、他の様々なGPU応用に適用できるものです。

本論文は、当社を含む上記各機関が2023年度に採択された文部科学省 共同利用・共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」(採択テーマ名:AI時代における計算科学の社会実装を実現する学際ハブ拠点形成)の成果の一部です。

題目:Improving Performance on Replica-Exchange Molecular Dynamics Simulations by Optimizing GPU Core Utilization
(GPU コア使用率の最適化によるレプリカ交換分子動力学シミュレーションの性能向上)
著者:Taisuke Boku¹, Masatake Sugita²³, Ryohei Kobayashi¹, Shinnosuke Furuya⁴, Takuya Fujie²³, Masahito Ohue², Yutaka Akiyama²
(1: 筑波大学計算科学研究センター, 2: アヘッド・バイオコンピューティング株式会社, 3: 東京工業大学, 4: NVIDIA)
掲載誌:Proceedings of the 53rd International Conference on Parallel Processing (ICPP'24). Association for Computing Machinery (ACM), New York, NY, USA.
頁:1082–1091
DOI : 10.1145/3673038.3673097

文部科学省 学際領域展開ハブ形成プログラムに採択されました(申請機関:筑波大学) – アヘッド・バイオコンピューティング株式会社
https://ahead-biocomputing.co.jp/20230909-1/

令和5年度 共同利用・共同研究システム形成事業 「学際領域展開ハブ形成プログラム」の採択機関の決定について:文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/mext_00333.html

International Conference on Parallel Processing (ICPP'24)
https://icpp2024.org/


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